高齢者の在職老齢年金とは?
「高齢者の在職老齢年金」とは、厚生年金保険の被保険者として働きながら老齢厚生年金を受給する際に、給与収入(賞与含む)と年金額の合計額に応じて、年金の一部または全部が支給停止される制度です。一般的に「在職老齢年金」と呼ばれます。
制度の目的
この制度は、現役世代と同様に収入がある高齢者に対して、年金を調整することで年金財政の均衡を図るとともに、世代間の公平性を保つことを目的としています。しかし、高齢者の就労意欲を阻害しないよう、支給停止基準額の見直しが度々行われてきました。
支給停止の仕組み
現在の制度では、60歳以上の人が厚生年金に加入して働き、「基本月額(年金月額)」と「総報酬月額相当額(給与と賞与の合計を12で割った額)」の合計が47万円を超える場合、その超えた額の半分が年金から支給停止されます。
- 基本月額:老齢厚生年金(加給年金を除く)の月額
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額と、直近1年間の標準賞与額を12で割った額を合算したもの
例えば、基本月額が20万円、総報酬月額相当額が30万円の場合、合計は50万円となります。47万円を超過する3万円の半分、つまり1万5千円が年金から支給停止されることになります。
制度改正の経緯
かつては60歳から64歳までの「低在老」と、65歳以上の「高在老」で異なる支給停止基準が設けられていましたが、2022年4月からは60歳以上のすべての人に47万円の基準が適用されるようになり、制度が一本化されました。これにより、60歳代前半で働く人の年金がより停止されにくくなりました。
注意点
在職老齢年金制度は、老齢厚生年金のみが対象であり、老齢基礎年金は支給停止の対象外です。また、雇用保険からの給付(高年齢雇用継続給付など)を受けている場合は、さらに年金が支給停止されることがありますので注意が必要です。