代行返上とは?
代行返上とは、かつて厚生年金基金や一部の確定給付企業年金が、厚生年金保険の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分の一部を国に代わって加入者に支給していた「代行部分」を、その企業年金が解散する際などに国に返還する手続きのことです。
代行返上が行われる背景
厚生年金基金は、企業が従業員の福利厚生の一環として設立し、国の厚生年金の一部を代行して運用・支給することで、国の年金制度を補完する役割を担っていました。しかし、経済情勢の変化や運用利回りの悪化などにより、多くの厚生年金基金で財政状況が悪化し、代行部分を国に返還して解散するケースが増加しました。
2014年4月1日には、厚生年金基金制度が廃止され、既存の厚生年金基金は原則として10年以内に解散するか、他の企業年金制度へ移行することが義務付けられました。この際、代行部分を国に返還する手続きが代行返上です。
代行返上後の年金給付
代行返上が行われると、これまで企業年金から支給されていた代行部分は、再び国(日本年金機構)から直接、老齢厚生年金の一部として支給されるようになります。そのため、年金受給者にとっては、年金の支給元が変わるだけで、受け取る年金額自体が減少するわけではありません。
ただし、代行部分に上乗せされていた企業年金独自の給付(プラスアルファ部分)については、代行返上とは別に、その企業年金がどのような制度に移行したかによって取り扱いが異なります。例えば、確定給付企業年金や確定拠出年金に移行した場合は、それぞれの制度に基づいて給付が行われます。
まとめ
代行返上は、企業年金制度の変遷に伴う重要な手続きであり、年金受給者にとっては、自身の年金がどこから支給されるのかを理解する上で知っておくべき用語です。