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暦年贈与とは? 生前贈与の基礎知識を解説

年間110万円まで非課税の贈与

2026/3/20304 回閲覧暦年贈与

暦年贈与とは

暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの1年間で贈与された財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税が課税されない制度です。この110万円の非課税枠は、贈与を受ける側(受贈者)一人あたりに適用されます。例えば、親から子へ110万円、祖父母から孫へ110万円といった形で、複数の人から贈与を受けても、受贈者一人あたりの合計額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。

この制度は、少額の贈与を非課税で行えるため、将来の相続税対策として活用されることがあります。計画的に贈与を行うことで、相続財産を減らし、相続税の負担を軽減する効果が期待できます。

なぜ今、話題なの?

暦年贈与は、以前から相続税対策の有効な手段として知られていましたが、近年、相続税と贈与税の一体化に向けた税制改正の議論が進んでいるため、特に注目を集めています。

2023年度の税制改正では、相続開始前3年以内の贈与が相続財産に加算される「持ち戻し期間」が、2024年1月1日以降の贈与から段階的に7年に延長されることが決定しました。これにより、生前贈与による相続税対策の計画は、より長期的な視点が必要となります。

この改正により、暦年贈与のメリットが薄れるのではないかという懸念もありますが、非課税枠が廃止されたわけではありません。むしろ、早めに贈与を開始し、長期的な計画を立てることの重要性が増していると言えるでしょう。

どこで使われている?

暦年贈与は、主に以下のような目的で活用されています。

  • 相続税対策:将来の相続財産を計画的に減らし、相続税の負担を軽減するために利用されます。特に、不動産や有価証券などの評価額が高い財産を贈与する際に有効です。
  • 教育資金や住宅取得資金の援助:子や孫の教育費や住宅購入資金の一部を贈与する際に、非課税枠を利用して負担なく支援することができます。ただし、教育資金の一括贈与や住宅取得等資金の贈与には、別途非課税制度が設けられており、そちらの方が大きな非課税枠を利用できる場合があります。
  • 資産の世代間移転:親から子、祖父母から孫へと、計画的に資産を移転させる手段として利用されます。これにより、若いうちから資産形成を支援し、将来の経済的基盤を築く手助けができます。

覚えておくポイント

暦年贈与を活用する上で、いくつか重要なポイントがあります。

  1. 毎年継続して贈与を行う場合:毎年同じ時期に同じ金額を贈与し続けると、税務署から「定期贈与」とみなされ、初めからまとまった金額を贈与する意図があったと判断される可能性があります。その場合、贈与総額に対して贈与税が課税されるリスクがあります。これを避けるためには、贈与の時期や金額を毎年変える、贈与契約書を作成するなどの対策が有効です。
  2. 贈与契約書の作成:贈与は口頭でも成立しますが、後々のトラブルや税務署からの指摘を避けるためにも、贈与契約書を作成し、贈与の事実と内容を明確にしておくことが推奨されます。
  3. 贈与の証拠を残す:現金を手渡しするのではなく、銀行振込を利用するなど、贈与の事実が客観的に確認できる方法を選ぶことが大切です。これにより、贈与の記録が残り、税務調査の際にも説明しやすくなります。
  4. 相続時精算課税制度との選択:暦年贈与とは別に、「相続時精算課税制度」という贈与制度もあります。これは、特定の親族間での贈与に適用され、2,500万円まで非課税で贈与できますが、その金額は将来の相続時に相続財産に加算されて相続税の対象となります。一度この制度を選択すると、暦年贈与に戻すことはできませんので、どちらの制度がご自身の状況に適しているか、慎重に検討する必要があります。

暦年贈与は、相続税対策として有効な手段ですが、税制改正や個別の状況によって最適な活用方法は異なります。不明な点があれば、税理士などの専門家にご相談ください。

本記事は情報提供を目的としており、特定の保険商品の推奨ではありません。保険の加入・解約は必ず保険会社または資格を持つFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。

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